「オレ、犬が冷や汗垂らすの初めて見た・・・」
「僕もです・・・っていうか、普通出ませんよ汗なんて?」
「まぁ、普通の犬じゃないようですしね。・・・それか、常識を覆すほど怯えてるってことかも」

こそこそとハボックとフュリー、ファルマンが会話する。
彼らの前には、ロイと思われる・・・・・・黒い犬。
そしてその犬のすぐ後ろには、腕組みをして冷たい瞳で犬を見下ろすエルリック少将。
犬は、犬にはあるまじくダラダラと冷や汗を垂らしてしばし固まった後、ようやく後ろを振り向いた。




 拍手ログG 『大総統閣下の愛犬』・・・3 




「わん?」


エドの話してる言葉が、まるっきりわからないとでもいうように、犬は小首を傾げた。
―――――――――それこそ、『普通の犬』みたいに。
同時に、エドの額にピキッと怒りマークが浮かぶ。
彼は怒りマークを浮かべたままで笑顔作り、リザに向かって振り向いた。

「――――大佐」
「何でしょう、少将?」
「やっぱオレの思い違いで、普通の犬だったみたいだ・・・保健所に連絡して引き取ってもらってくれ」
「わかりました」

受話器を取るリザを見て、ぎょっとしたように犬が目を見開き・・・そして、エドに駆け寄った。


「た、大佐!やめてくれ!!・・・エディ!私が悪かった、ちゃんと話すからっ・・・・!」


後ろ足で立ちあがり、足をエドの胸にかけてそう一気にしゃべってから、犬は『しまった』という顔をした。
エドはニヤリと笑って、自分の胸に置かれた両前足をがしっと掴むと、犬の顔を覗きこむ。

「ええ、た〜〜〜っぷりと聞かせていただきますとも、大総統閣下。・・・ね、大佐?」
「はい。私もとくとお聞きしたいですね、閣下」

いつの間にやら後ろに移動したリザも、上から犬の顔を覗きこんでいた。




「・・・・・前門の虎、後門の狼。いえ、使い方が違いますね・・・こんな時ふさわしい言葉は―――」

  考え込むファルマン。

「つーか、しゃべってるぞ?犬なのに・・・・・」

  呆れるハボック。

「僕、犬と話せたらなーって小さい頃思ってましたけど・・・中身が閣下っていうのは、ちょっと」

  遠くを見るフュリー。

「犬の上司・・・・・俺、職場変えようかな・・・・・・」

  暗雲を背負う、ブレダ。



そして、黒い犬はというと・・・
また、犬にあるまじく、冷や汗をだらだらとかいていた。





連続ちょこちょこ更新♪おかげで全然進まない(笑)
色々と非常識なところがてんこもりですが、見逃してくださいね〜(ぎ、ギャグですから・・・ね)
つーか、なんかロイが気の毒過ぎたかも!?


back     next     MEMO帳へ