『でも、別に何も届いてないよねー?』
誕生日なんて気にも留めてなかったけど・・・そういえば、ついこの前だったよね?
「なかなか有能だろう?」 え、物じゃなくて、人!?
「お前があっちこっち女を食い散らかしてるのは知っておる。そして、どんなに女を取り替えても本気になれんのも知っておる・・・若い内はそんな時もあるかと目を瞑っておったが、そろそろ落ちつきをもってもいいころじゃ・・・いつまでもフラフラさせておっては、お前の父母にも申し訳ないからの。だが、お前はワシに勧められたからと言って素直に受け取るような奴でもないしの?思案して、誕生日近くのお前の任務に混ぜておいたのじゃ」
誕生日近くの任務って、アレだよね。 「まずは任務を一緒にこなして、有能さを分らせて一目を置かせる。そして、任務を共にし少し親しくなった後、お前の生活に入りこませる手筈だったんじゃ。なにせ、あやつはワシ自ら鍛えたからの、任務の外にも炊事・洗濯・掃除も完璧。・・・一緒にいたら手放せなくなったじゃろ?」
『それならそうと、なんで言わないのよ』
いや、最初にそう言われたら、問答無用でたたき出してたとは思うけどさ。 「で、どうなのじゃ?気に入ったか?」
気に入ったかと聞かれれば・・・・・気に入ったと言うしかない。 「ま、気に入りました・・・かね」 そう言うと、コハルは満面の笑みを浮かべて、何度も頷いた。
「そうじゃろう、そうじゃろう。この婆の目に狂いはないわ」 得意げにそう言うと、コハルは少し声を顰めて、意味深にカカシを見上げた。
「夜の方も、順調か?」 褥って・・・・・!!
「あー・・・その、そっちはまだ試してません」 コハルは驚いたものの、途中で満足そうにまた頷いた。 「それは、お前が『本気』になった証拠じゃろうよ。つまみ食いだけして捨てられたのでは困ると思っておったが・・・それも取り越し苦労だったということじゃな」
突然昔馴染みの大名の奥方に温泉に誘われてしもうて、見届けられなんだから・・・これでも気を揉んでおったんじゃ。良かった良かった。安心したわい。
「ではの、カカシ。そのうち様子を見に行かせてもらうぞ?」
いや、でも・・・俺、男は経験ないんだよね。 『あの人なら・・・男でも、アリかもね』
昨日のキスは、嫌どころか・・・なんか、ドキドキしたし。
『まいったねぇ・・・』
初恋が『宛がわれたもの』って、ちょっとカッコ悪いと思いつつも。
「・・・こりゃ、カカシ!聞いておるのか!?」 呆れたようにコハルは言った。
「浮かれておらんで、さっさと子づくりに励めよ?子は里の宝ぞ?」
そう言ってコハルは去っていった。
「今日は早かったんですね?すみません、出迎えなくて」 にこりと笑うイルカに、カカシは無言で近づいた。
「食事はできてますけど、今日も風呂が先ですか?それなら、今パジャマを・・・」
たたんだばかりの洗いたてのパジャマを持って立ち上がったイルカの前に立つ。 「なっ!?」
そのまま彼の上に圧し掛かって、手足を拘束し、抵抗を封じる。 「カカシさん、いったい・・・・・?あっ!」
質問には答えず、彼が来ていた忍服を引き裂いた。
「アンタ・・・間違いなく、男だね?」 困惑した表情で見上げるイルカを、上から見下ろす。
「つまり、コハル様が寄越したのは・・・・・・・アンタじゃない」 目を見開いたイルカに顔を近づけ、問いかけた。
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